ブナイレンアイ
「それは…!」
真っ赤な顔でカナトは私を見た。
「お前は関係ないからな!」
本当にカナトは言っている意味が謎。
すると、今まで黙っていたカオルくんが口を開いた。
「素直じゃないですね。カナト先輩は。言えばいいじゃないですかこの際。僕は今、ここで、言います」
私は首を傾げる。
カナトはなぜか慌てていた。
「バッ!待てよ!お前!!」
カナトの言葉も気にせず、カオルくんは私に話しかけた。
「先輩。今朝の上履き、あれ、無かったんですね…すみません…」
「なんでカオルくんが謝るの?カオルくんは悪くないよ!」
私が微笑むとカオルくんは一瞬、寂しそうに瞳を揺らして、微笑み返してくれた。