ブナイレンアイ
カナトは突然女の子の胸ぐらをつかんだ。
「カナト!!」
私はとっさにカナトの腕にしがみついた。
周りを囲う野次馬は増えるばかり。
「!!ユナ!」
「カナト!ダメ!女の子だよ!」
ハルキ先輩も後ろから、カナトを止めた。
「カナト。周り見ろ。これじゃ、完璧にお前が悪者だ。ユナちゃんの印象も下がるよ?」
カナトはようやく手を離した。
その隙に、私はカナトの前に立ち、女の子と対峙した。
同じ学年の子だった。