ブナイレンアイ
「ユナ…」
やっぱりコウは私の前で止まった。
ユナって…呼んでる…
「ごめん。今まで…全部ごめん。だけど、俺、 やっぱりバスケが好き。ユナとの約束守りに来た」
「コウ…」
私の涙が溢れた時、もう目の前にコウはいなかった。
それが何を意味するのかわからなくて、涙はやっぱり溢れた。
だから、気づかなかったんだ。
あの人が、怒ったような、悔しいような、泣きそうな顔をして、唇を噛み締めていることに…