ブナイレンアイ
「先輩、おかしくないですか!?様子おかしいです!」
「それも、そう…だな」
「原因とか…」
「コウなら、知ってるんじゃない?」
みんなが振り返った先に立っていたのは、ハルキ先輩と部長。
「や!コウには、会わない!」
コウには見られたくない。
しかも、コウと付き合ってるアイのせいだなんて、絶対言えない。
「でも、さ、言わないと…」
ハルキ先輩が私の目線に合わせて屈み、私の顔を覗き込んできた。
「わかんないよ?犯人も、ユナちゃんがそんなに怯えてるわけも」
ハルキ先輩の瞳は見えない何かを捉えていて、私の体に恐怖という感情が芽生える。
「おい!ハルキ!春原がびびってる」
「あ、違う違う!俺はね…コウに怒ってるんだよ」