ブナイレンアイ
「はい。できました先輩!」
カオルくんがニコッと笑って、顔を上げた。
「ありがとね。カオルくん」
すると、黙って見ていた部長が話始めた。
「さった岡田に、春原の場所を聞かれた。でも、教えなかった。なんでかわかるか?」
「今会っても、しょうがないですもんね。感情的になっちゃうだけで…」
「ああ。でもな、あいつ、藤野のこと、一発も殴らなかったんだ。それは伝えておこうと思う」
「……はい」
実は少しわかっていた。藤野くんにはケガが無い事。気づいていた。
そんなとこまで好きだと思っちゃうなんて、重症だな、と思う。