ブナイレンアイ

「私、好きでした。すごく、大好きでした。私に、もう1度夢を見せてくれたのは、コウでした。全国、行きたかった。高校こそって、ずっと、中学の時から頑張ってきて…」



涙が零れるのではないか。そう思った。だけど私は堪える。


泣いたら、忘れられなくなる。



するともう一度、廊下を走る音が聞こえた。この足音はきっとコウ。なんとなくわかってしまった。
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