ブナイレンアイ

「はい」

「あ、ユナちゃん?」

「すみません今日は…ありがとうございました」

「ううん、いいのいいの」


夕凪先輩は優しく言う。

「あの…」

私が口を開けた時、先輩の声が重なった。

「マサったらヒドイよねー?」

マサ、と言うのは、部長の長谷川真斗先輩のこと。

「送ってくなら、俺が送って行ったのにさ、カナトなんかに頼んで!」

「カナトは自転車なんで…後ろに乗せてもらいました」
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