ブナイレンアイ

「ユナ?俺のことは無視?」

「もう!抱きつかないでよ!」

同じクラスの藤野哉人〈フジノカナト〉。赤メッシュの入った髪と、整った顔立ち。女子にはモテるけど何か残念なかんじがする。そしてなぜか、コウにわざわざ突っかかる。

「は?カナト?なにしてんの?そこにいるの、ユナだよ?俺の彼女のユナだよ?」

ヤバイ。目がマジだ。

藤野くんも感じ取ったのか私からさっと離れた。

「ほら、そこ!揉めない!」

長谷川部長のおかげでなんとか落ち着いた場でまた練習が始まる。
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