ブナイレンアイ

部長が聞いて来た。

「いないですよ?私、父子家庭で1人暮らしなんで」


「1人暮らしって、こんな大きい家でか?」

「うん。大きくもないけどね?」

私はリビングのドアを開けてから、寝室へ戻り、制服に着替えた。

階段を降りている最中、カナトくんの声が聞こえた。


「アイツ、寂しくないんですかね?」

「寂しくないよ?」

本当は寂しい時もあるけど…本当は毎晩寂しいけど…
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