恋なんてしない…
昼食の時間。
この時間はいつも紗希と愛ちゃんと食べる。


「ねぇ、葵」

「なに?紗希」

「葵ってさ、悠紀君のこと…好き?」

「ぶふっ…‼︎」

「うわ…葵ちゃん大丈夫?」

「だ、大丈夫…なによ急に…‼︎」


なんで今日は何回もその話をしなきゃいけないの⁉︎

嫌い…って言っちゃったのに…。


「だって、悠紀君のことばっかり見てるよ?」

「そ…んなこと」

「そういえば…なんで最近、葵ちゃん、赤城君と話してないの?」

「…え」


愛ちゃんに言われてるとは思ってなかった。


「それさ、悠紀君に聞いてみたの‼︎そしたらね…『別に』って」

「…そうだよ。なんでもない」

「そうかなぁ?」

「もう、この話は良いじゃん‼︎紗希は最近、彼氏さんとどうなの?」

「え?彼氏?あー、それがさ〜」


悠紀にとっては…別にたいしたことじゃないんだよね。

私と話さないっていうのは。

私にとっては…凄くたいしたことなのにな…
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