きっともう大丈夫
それからしばらく詩織さんも元で引き継ぎする仕事を
叩き込まれた。
沙希さんは担当であるブライダルの仕事で忙しかったし
明良さんとはほとんど会話がなかった。
どちらかというと私に関心が全くないようだった。
忙しい人だから店には1日数時間しかいないが
それにしても私との会話は全くと言ってもなかった。
だがそれがいけなかったのだろうか・・・・
逆に私の心にに火をつけてしまったのだ。
今までは男の方から声をかけられるのがほとんどで
自分から好きだと思った男はないに等しかった。
それが自分の憧れていたフローリストでイケメンで
自分には目もくれない。
しかも奥さんである沙希さんとは見てるだけでも
わかる相思相愛ぶり。
私の心が徐々に黒くなっていた。
明良さんを自分のものにしたい、振り向かせたい・・・どんな手段を使っても
沙希さんの事が嫌いな訳ではない。
凄くいい人なのもわかる。でも私は明良さんがほしかった。
相手にされなければされないだけ逆にその思いが強くなっていった。

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