きっともう大丈夫
仕事とプライベートをしっかり分けてる明良。
仕事の時ははっきり言って職人の様な顔つきで私でさえも
1、2歩下がっちゃうんだけど
2人でいるときは本当にやさしいくって甘甘で、付き合おうと思ったのも
このギャップ萌えだったのかと思ってしまうほど。
圭吾と付き合ってた時は一緒にいても別々の事をしてる事が多かった。
ただ、同じ空間で同じ空気を吸ってるだけ・・・それだけの様な付き合いだったが明良は違っていた。
同じ職場でも彼は忙しい人だから、2人でいられるのは
少ないけれど、こうやって会える時間を大事にしてくれる。そんな人だ。
「なぁー。今日ってもしかして生姜焼き?俺作ってやろうか?」
「うん・・そうだけど・・いいの?疲れてるんじゃないの?」
「さっき充電したから大丈夫」
しかも料理もできる。出来た彼氏なのです。

食事を済ませたあと、順番にお風呂に入った。
風呂上がりに2人で缶ビールを飲むのが2人の楽しみで
二人掛けソファーに座り乾杯をする。
「あーこの1杯がたまんないよね。」
明良の方をみると心ここにあらずって感じでボーっとしていた。
「明良?」
「・・・・・・・」
「あ・き・ら?」
「ん?あっ・・ごめん。何?」
「・・・ビール美味しいねって言ったんだけど・・・」
「ごめん、ごめん。ちょっと考え事しててさ・・・」
やっぱり・・ね。
明良がこんな顔するなんて初めて見るんだもん。
でもここで聞くのはよくないのかなーとか
きかないと薄情者と思われるのかな~っていろいろ考えちゃう。
するとその横で何やら笑い声が?
明良が肩を震わせながら笑ってる。
「何がおかしいのよ!」
「いや~~お前って本当に顔に出るな~わかりやすすぎ。
どうせ、俺の事聞こうかどうしようか悩んでたんだろ?」
げ!完全にばれてる。心読まれてる。
何だか見られちゃいけない部分を見られちゃったような気分になって
顔がカーッと赤くなる。
恥ずかしいから体ごと明良の逆を向くと
「ごめん。・・・・ってかありがとうかな?心配してくれてんだろ~~」
私は黙って頷く
「もうちょっと待って。ちゃんとその時がきたら話す」
そういって私の体を自分の方に向けた。
おでことおでこをくっつく
「その時っていつ?」
「もう少し・・だけ」
そう言うと自然と私たちはキスをしていた。
「沙希・・・」
「何?」
「もっと・・・もっと充電させて」
明良の甘い囁きに体から力が抜けてる。
この人の普段は見せない甘い声と顔にドキドキを通り越してバクバクする。
「うん・・・あ」
それ以上の言葉は明良の唇によって塞がれた唇が腫れちゃううじゃないかと思うほど。でも明良とのキスは大好き
ずっとこのままでもいいとさえ思えてしまう。

唇が離れると、頬をすり寄せ耳へと近づく。
耳たぶを甘噛みされ全身に甘いしびれが襲う。
明良の色っぽい息使いに私の息も荒くなる。
「ベッドにいこ・・・」
そういって私は明良に抱きかかえられるように寝室へ向かった。
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