沢山の気持ちを君に伝えます!!
「……ごめんなさい」
そう言って謝ってくるばかりの菅原。
俺はソレが聴きたいんじゃないんだよ。
謝って欲しいんじゃない。
何で……菅原がココに居て、怪我をしてるのかが分からない。
ウォーミングアップの前はちゃんと居た。
振り返った時には…もう居なかった。
その時に…捜しに行ってれば…。
俺はグッと奥歯を噛む。
「……先輩、あたしなんかの為に走ってくれてありがとう」
「…え?」
驚いた。
でもさ、
「…あたしなんかじゃないだろ?俺は菅原だからココまで走ってきた。他のやつにはしないから」
「…そうですか。嬉しいです」
でも、その表情は嬉しさと言うより…。
悔しさの方が強かったかもしれない。
菅原が一生懸命我慢していた涙が姿を見せる。
ポツンと宙を切って、菅原の目から溢れ出でくる涙。
その姿を見て、俺は何も言えなかった。
綺麗だった。
凄く…。
「…」
俺は無言で近付いて、ただ抱きしめた。
あったかかった菅原。
俺は心の底から安心した。
俺は…本気で菅原が好きだ。