不意打ち男子のずるいとこ





莉莎子に胸のうちを言ってしまおうかな。


そしたら楽になれるのかな。




でもーー...


「このこと、誰にも言うんじゃねーぞ」



あの時の守谷を思いだす。



まっすぐで

すっごく真剣で

キレイな目だったなー...





やっぱり、言っちゃいけないのかな?


守谷との、唯一の約束を破っちゃだめ?







しばらく黙ったままでいると。




「寧位...

言えない事情なら私は無理に聞かない。






.....けど、今のあんたはすっごく辛そうだよ」




優しい口調の、莉莎子の言葉が細いトゲみたいに心に刺さっていく。





「私だって寧位にたくさん相談してきたでしょ?

そしたら寧位、たくさん答えくれたんだよ?

私、すっごく嬉しかったの。



...だから、私も力になりたいんだよ」





もう...、

違う意味で泣きそう.....。









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