不意打ち男子のずるいとこ
この苦しさも、
少しは和らいでたかもしれないのに。
真っ白な保健室のシーツに、顔を伏せて大きく息をはいた。
その瞬間、
ーーガラッ
と音を立てて、保健室のドアが開けられる。
「寧位?!」
ツカツカと足音を立てて、カーテン越しにその音が止まる。
「り、さこ.....?」
「うん。
入るよ?」
返事をする前にシャッと音を立ててカーテンが開けられた。
「大丈夫?
...って大丈夫じゃないよね」
ベッドのそばまでくると、ちょこんと腰掛けた莉莎子。
こんな時にあれだけど、可愛いよなあ...。
「ごめん寧位!!
やっぱり私が行けばよかった」
「何で謝るの」
莉莎子のせいじゃないよ。
そんな意味をこめて言った。
「寧位に行ってこいって背中押したのはいいけど、
実は心配でこっそり見てたんだ」
莉莎子のその言葉を聞いて心が温まってくる。