不意打ち男子のずるいとこ
「はい!新沢ですよ」
なんで苗字知ってるんだろ〜なんて考えてると、男の子の表情がパアッと明るくなった。
「先輩がここでメイド服着てるって聞いて.....。
来ました!!」
ええ?!?!
どこ情報ですかそれは!!!
しかも私メイド服着てたの忘れてた...。
いちばん着たくなかった服なのに、クラスの女子たちに無理やり着せられちゃったんだ。
「そ、そうですか...。」
似合ってないから噂になっちゃったのかな。
ブサイクなのがメイド服着てるぞ〜みたいな?
それで売り上げが上がるのなら嬉しいんだけど。
「.....?
めっちゃ似合ってますよ!!」
男の子は不思議そうに私を見つめてそう言った。
ガッカリした私を慰めてくれるなんて、なんて優しい後輩くんなんだ!
「ありがとう」
優しい後輩くんに微笑んで、良かったら喫茶店で食べて下さい!なんて少し喫茶店の宣伝をしてしまった。
「も、もももちろんです!!」
さっきより焦った声が聞こえたと思ったら、後輩くんはそそくさと喫茶店の方へ向かった。
まさか私の笑顔がキモかったのかな?!
そ、それはショックかも。
でもめげずに販売だ販売!!