不意打ち男子のずるいとこ
しかも私服だから、同じ学校じゃないことが分かる。
何個も耳についてるピアス。
守谷とは少し違う、明るすぎる茶髪。
目にかかる髪の毛からのぞく、鋭い目。
見つめられただけでゾゾゾッと背筋が凍った。
怖い。
守谷と同じヤンキーのはずなのに、どこか違う。
雰囲気もまったく違うんだ。
黙って1000円を渡され、その威圧感にもビクビクしてしまう。
外見で人を判断しちゃいけないって分かってるけど...。
申し訳ないけど、はやくおつりを渡して関わりたくないと思ってしまった。
「おつりの100円でー...「あんたが新沢寧位?」
そんな願いも叶わず、そのヤンキーに話しかけられてしまった。
「そ、うですけど.....」
怖くて目も合わせられないでいると、ふーんと低い声が聞こえた。