不意打ち男子のずるいとこ
「噂どーりじゃん?」
「.....。」
噂って何だろう.....。
とにかく怖いよ。
「あの、おつり...」
はやくおつりを渡してしまおう。
そう思い、100円を差し出す。
「.....!」
目の前のヤンキーは100円を取ると思いきや、私の手首を掴んだ。
びっくりしすぎて声も出せずに固まってしまう。
掴まれた手首がどんどん熱が冷めていく感じがする。
どう、しよう.....。
怖い、怖いよ。
クラスの子たちも接客で気づいてないみたい。
「ねえ、メルアド教えてよ」
瞬間、
掴まれていた手首をぐいっと引っ張られ、手に持っていた100円が落ちてしまった。
それと同時に、私も大勢を崩してしまい前のめり状態に。
グラリと視界が揺れて床にどんどん近づいていくのがわかった。
転んでしまう.....!
ぎゅっと目を瞑り次の痛みが来るのを待った。