不意打ち男子のずるいとこ
「大丈夫だよ?
そりゃあのヤンキーは怖かったけどね。
守谷も、金田くんも助けてくれたし」
その瞬間、金田くんが私の方を振り返った。
「ありがとう」
そう言って笑顔を向けると、金田くんの顔が真っ赤になった。
それを隠すように、私の腕を掴んでいた手で顔を隠す金田くん。
可愛いなあ.....。
でも、
「かっこよかったよ!金田くん!!」
一歩踏み出して、金田くんの隣に行く。
手で顔を隠してるからどんな表情してるのかわかんないけど。
素直に、かっこいいと思ったよ。
「文化祭はこれからだよ!
楽しもうよ!!」
顔から手を外した金田くんに、ニッと笑いかけた。
「ズル...」
金田くんがまた顔を赤くして、そんなことを言ったなんて、
前を歩きだした私には聞こえなかった。