不意打ち男子のずるいとこ
う、嘘でしょ?!
っとひとりパニックに陥る中、
ポンポン、と肩を叩かれた。
ゆっくり振り返ると。
「新沢寧位さんですね?
こちらに来てくださーい」
首元に赤のキラキラ光る蝶ネクタイをつけた男の子がそこにいた。
眩しいほどの笑顔を見せたその男の子が、私には恐怖にしかみえない。
ど、どうみてもこの人、イベントに関わってるでしょ!
チラリと体育館の幕が目に入ってきて、驚かないわけがない。
それには、
ドッキドキ!イベント
っと堂々と書かれており、
ピンク色の字で、可愛くほどこされたそれはハートマークがたくさんついてる。
瞬間、ガシッと腕を男の子に掴まれ、ズルズルと体育館の奥に連れて行かれる。
「ちょ、莉莎子っ!
た、助けてっ!!」
急いで莉莎子に助けを求めるけど、莉莎子はある一点を見つめていて。
ボソボソと何かをつぶやいている。