不意打ち男子のずるいとこ
「それではNo.1、平井アンド黒木ペア〜!!」
司会者に声をかけられ、たくさんの拍手に包まれながら、どこか恥ずかしそうにステージに立った2人。
お互いキョロキョロと目を泳がせてる。
やっぱりこんなにたくさんの人がいる中でステージに立つんだもん、恥ずかしいよね。
私もさっきよりずいぶん緊張してきた。
「さあ、このペアはどんな告白をするのでしょうか??
平井くん、準備はいいですか〜?」
司会者が平井くんと呼ばれる男の子にマイクを渡す。
「はい!」
マイクごしに通した平井くんの声が体育館内に響く。
「それではどうぞ!」
そう司会者が言った途端、シンと静まり返る体育館。
なんてまとまりなのこの学校。
と思わせるようなまとまりっぷりに唖然としてしまう。
「り、梨絵(リエ)ーー!!
ぉ、お前、いつになったら俺のマンガ返してくれるんだよ!」
・・・・・。
あ、あれ?
私てっきり愛の告白なのかと。
そう思ったのは私だけじゃなかったらしく、隣にいる実瑠ちゃんもポカンとしてる。
それから体育館にいる全員も。
でも1番ビックリしてるのは、ステージに立ってる黒木さん。
呆然としてます。
でもマイクを渡され、ハッとしたのか平井くんをまっすぐ見つめる。
「あんた、そんなことでこんなイベントにアタシよんだの?!」
信じられない!という言葉も付けたして睨む黒木さん。
平井くんはというとこれもまた呆然としてる。