不意打ち男子のずるいとこ
「こんなイベントによんでごめんな。
いつもふざけてばっかでごめんな。
...でも俺、こんな機会がないとお前に気持ち伝える勇気ねえし。
いつも照れ隠しでふざけることしかできないんだ」
その言葉を聞いて、枢木くんも実瑠ちゃんと同じ気持ちなんだって分かった。
2人とも照れ隠しであんな感じだったなんて、少しおかしいね。
「わ、私もっ!」
続けて実瑠ちゃんの声が体育館内に響いた。
「私も...照れ隠しであんなことしちゃって。
この気持ちを伝えるっていうのも、さっき決めたことなの。
...だから、わ、私も枢木みたいにこのイベントがなかったら、枢木に気持ち伝えようとか思わなかったよ!!!」
実瑠ちゃんの言葉を聞いて、枢木くんのビックリした顔が見えた。
「そっか」
「う、うん...」
しばらく沈黙が続いた。
体育館内も、この2人の次の行動を待っているようでシンと静まり返ってる。
「俺、お前のこと好きだよ」
ポツリとつぶやいた枢木くんに体育館内からちらほらと、キャー!とかヒューヒュー!とか冷やかしの声が。
けれどひるまずに枢木くんは続けた。
「だから俺と...付き合ってくれねえかな。
...いや、
まつ......み、実瑠。良かったら俺と付き合ってください」
どこそこから枢木くんの言葉に歓声が上がる。
しばらく見つめあった2人だけど、実瑠ちゃんがマイクを口に近づけるのが分かった。
「も、もちろん!
わ、たしも.....千尋(チヒロ)が好き、だから...」
そう実瑠ちゃんが言った瞬間、体育館内から拍手が上がった。