不意打ち男子のずるいとこ
あれ?
って拍子抜けするくらいにいつも通りの金田くん。
いつかの帰り道で、そうやってクスクスって言うより肩を震わせて笑ってたよね。
ボーッとそんな記憶を思い出した。
あの時よりもずっと前から、金田くんは私を思ってくれてたんだね。
ぎゅっと胸を掴まれたみたいに痛む。
でも、ありがとうって気持ちですぐ暖かくなるんだ。
「...ねえ、先輩。
自分をそんなに責めないでくれませんか?
先輩はいつも自分を責めすぎなんです。
周りのこと見過ぎるから、自分がそんなに鈍感なんですよ」
先輩の悪い癖ね、そう言うと金田くんはふう、とため息をついた。
グサリと金田くんの言葉がささる。
周りのこと見過ぎ.....か。
よく、おせっかいとか言われたな〜
なんて。
金田くんにもバレてる。
「ま、そんなところも含めて好きなんですけどね」
金田くんのひとことにドキリとする。
そんな.....私の悪いところまで好き...なんて。
びっくりだよ。