不意打ち男子のずるいとこ
体育館の出口まで来て、立ち止まった。
.....いない。
体育館内の全てを探したのにどこにも守谷はいなかった。
やっぱり、私には興味がないからもう帰っちゃった?
...そうだよね。
守谷が私が出るからって、このイベントにずっといるわけじゃないよね。
何自惚れてんだろ、私。
胸がまた、ギューッと苦しくなって。
ダメだ、このままじゃ泣いちゃいそうだよ。
莉莎子のとこに戻ろう。
くるりと回って、また体育館に足を踏み出す。
けれどーーー...。
突然、
腕を誰かに掴まれた。
驚きで目を見開く。
そのまま声が出せないでいると。
グイッとそのまま腕を優しく、その人物の方に引き寄せられた。
瞬間、フワッと香る爽やかな香り。
この香り.....。