不意打ち男子のずるいとこ





窓から入ってきた風が、私の髪をなびかせる。


目の前には、優しく私を見つめる守谷。





.....よし。


軽く息を吸う。




不安と緊張と...それから守谷への胸の高鳴りでドクン、ドクンと波打つ心臓。



こんなに緊張するんだ.....告白って。





私も守谷の目をまっすぐ見つめた。






「守谷...に.....伝えたいことがあるんだ」



守谷は表情を変えずに、優しく私を見つめたまま。




「ん、言えよ。

.....俺も、あるから」




優しい声でそう言った。





そんな優しい声なんて聞かせないでよ。

ずっと前から守谷が優しいことなんて知ってた。



知ってたから。

知ってたからこそ、怖いんだ。

辛いんだ。



もう、こんな表情私に見せてくれないんじゃないかって。




だから関わらないって言われたあの時も、臆病になって、話しかけれなくて。


...でも、

守谷が他の女の人といるところを見て、一度は諦め掛けたけど、そこから諦めたくないって気持ちが芽生えたんだ。



いくら突き放されても大丈夫なように。

強くなろうって決めたの。




そして今、気持ちを伝えようとしてるんだ。









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