不意打ち男子のずるいとこ
「あ.....」
守谷を見上げた瞬間、交わる視線。
ほんのり赤い頬を隠すように手で口を抑えてる守谷。
そんな守谷見て、こっちまで赤くなりそう。
この表情は期待してもいいの?
.....やっぱり期待なんかしちゃダメかな?
そんな疑問が頭の中に浮かぶ中、静かに守谷が動いた。
突然すぎて、ビクッと私の体が揺れる。
さっき匂った香りが、さらに強くなった。
.....大好きな、爽やかな香り。
守谷らしいその香りが私はいちばん好き。
耳元でつぶやかれた言葉に、今度は我慢する余裕もなくて。
涙が溢れてきた。
“ 俺も ”
真っ正面からギュッと抱きしめられ、言われた言葉。
すごく短い言葉だけど。
今の私を泣かせることなんて十分すぎるぐらい。
これもまた、守谷らしい言葉に胸が高鳴る。