不意打ち男子のずるいとこ
「ふぇっ...」
一度溢れ出した涙はもう止まらなくて。
声が漏れてしまうくらいに守谷の胸の中で泣いてしまった。
ずっと守谷は「ごめん...ごめんな」そう呟きながらギュッと力強く抱きしめてくれた。
「バカ...もり.....やっ」
だいぶ落ち着いてきたころ、まだ少し途切れ途切れの言葉でそんなことを言ってしまった。
その言葉を受け取った守谷がスッと離れていく。
さっきまであったぬくもりがどんどん消えていく。
何か.....ヤダ。
そう思った私は、気づいたら守谷の裾をつまんでいた。
「...どーした?
寂しい?ネイちゃん?」
そんな言葉を聞いてハッとする。
甘やかすような守谷の口調にカッと頬が熱くなった。
私.....今寂しいって感じたんだ。
初めての感覚に戸惑いつつ、少しドキドキ。