不意打ち男子のずるいとこ





「ふぇっ...」


一度溢れ出した涙はもう止まらなくて。



声が漏れてしまうくらいに守谷の胸の中で泣いてしまった。





ずっと守谷は「ごめん...ごめんな」そう呟きながらギュッと力強く抱きしめてくれた。








「バカ...もり.....やっ」


だいぶ落ち着いてきたころ、まだ少し途切れ途切れの言葉でそんなことを言ってしまった。




その言葉を受け取った守谷がスッと離れていく。


さっきまであったぬくもりがどんどん消えていく。




何か.....ヤダ。


そう思った私は、気づいたら守谷の裾をつまんでいた。






「...どーした?

寂しい?ネイちゃん?」




そんな言葉を聞いてハッとする。


甘やかすような守谷の口調にカッと頬が熱くなった。



私.....今寂しいって感じたんだ。




初めての感覚に戸惑いつつ、少しドキドキ。







< 179 / 208 >

この作品をシェア

pagetop