不意打ち男子のずるいとこ
「.....いじわる」
キッと睨み返してしまう私って可愛げないなあ.....。
でもそんな思いも守谷を見た瞬間、なくなった。
だって.....。
顔、真っ赤なんだもん.....。
「見んなよ...」
そう言ってそっぽを向いた守谷にクスクスと笑った。
「なになに、守谷?
顔が真っ赤だよ〜?」
からかう口調で言ってみる。
さっき、いじわるしたお返しだ。
って少し優越感に浸っていると。
グイッ
っと腕を引っ張られて、前のめり状態に。
キャッと声を出す前に抱き寄せられる。
「バカ。...さっきの顔誰にも見せんなよ」
耳元で聞こえてきた甘い声にキュンキュン。
だけど、私の肩に頭をのせながら言う守谷にフラフラしそう。
近すぎるよっ.....!
また真っ赤に顔が染まる。
「.....わ、わかったよっ」
守谷が言ったことの意味も分からないままに返事をしてしまった。
「ほんとに?」
私の肩に乗せていた頭を持ち上げて、覗き込むようにして私を見る守谷。
何度も頷く私にフッと笑って、隣に並んだ。
「あ」
でも思い出したみたいに短く声をあげた。
「ん?」
「.....ナツキ」