不意打ち男子のずるいとこ





「何でそんな顔するかな...」


ボソッとつぶやいたように言った守谷。



「え?」


あまり聞き取れなくて聞き返すと、そのまま机に突っ伏してしまった。



あ.....眠いのかな。



そう考えてたけど、その光景を見てハッとさせられた。


この光景.....あの時と同じだ。


守谷が私の席で寝てた日。


私が.....守谷の新しい一面を見た時と同じ。




あの時、なんで守谷は私の席で寝てたの?


そう考えていたとき。



「隣...座って。

今度は俺の話聞く番だろ」



突っ伏したまま言った言葉に「うん」としか言えなかった。


急いで隣の席に座ると。




守谷がむくっと起きあがった。



「メガネ...」


守谷が起きあがって気づいたけど、守谷はメガネを外していた。




「ん...外した。

かったるいんだよ、メガネ」



素顔の守谷にやっぱり見惚れてしまう。


今は黒髪のカツラだけど.....やっぱり王子さまみたい。








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