不意打ち男子のずるいとこ
でも、もうバレてもいいよ。
私、こんなに守谷のことが好きなんだって伝えたくなっちゃったんだもん。
「好きすぎるよぉ...
守谷のバカァ〜〜〜」
離れていた距離がゼロになる。
ぎゅっと守谷に抱きついた。
きっと、私の鼓動が守谷にばれちゃったよね。
「っ...
バカは余計だっつーの」
そんなことを言いながらも、守谷も私をぎゅっと力強く抱きしめ返してくれる。
少し息苦しいその感覚も、不思議と心地いい。
けれどスッと守谷の体温が私から遠ざかる。
私の目の前には王子様みたいな守谷。
私を見つめるその瞳に吸い込まれそう。
「...好きだ」
そう呟いて近づいてくる守谷の顔。
その目線は私の唇の方を見つめていて。
反射的に目を閉じた私と
守谷の唇が
静かに重なった。