不意打ち男子のずるいとこ





ーーーーー.....




妙に納得している自分がいて、びっくりしてしまう。






何のために自分の姿を変装してまで隠してきたのか、なぜ秘密にしてきたのかが本人にいわれなくても分かった。








話を聞き終わった今は、



守谷は暖かい人だって確信できた。








「何笑ってんだよ、バーカ」





守谷にバカって言われても、今の私に何て言おうが、説得力がないよ。






目の前にいる守谷だって私の笑顔を見て、ホッとしたのかいつものように優しく笑ってるんだもん。







「あー...



もう、ほんとにお前は何なんだよ」





ふわふわな茶色の髪を、くしゃっとしてる守谷がたまらなく可愛く感じる。






「ぜってー引かれるって覚悟してたのに」






そんなこと、しないのに。






胸の中がじんわりと心地よい温かさで満たされていく。







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