不意打ち男子のずるいとこ





彼が話し出した最初は、衝撃でしかなかった。





だって、いきなり







「俺、実はそこら辺じゃ有名な不良で」





何の前触れもなくそんなことを言い出すのだから。





でも確かに今までの守谷を見る限りでは、あの表情の切り替えとか、鋭い瞳とか、思い当たることがたくさんあった。






「顔とかもいろんな奴に知られてんの」




自分の顔を指しながら話す守谷を見て、メガネ姿じゃない、今の守谷のことを言ってるんだと分かった。





守谷曰く、不良やらヤンキーやらはこの学校にもたくさんいるようで、





もちろん、後輩や先輩だけじゃなく、同じ学年にも。




移動教室とかでも知ってる顔を何回も見かけたって言ってた。






だから何だって言いたいところだけど、重要なのはその後だった。







< 39 / 208 >

この作品をシェア

pagetop