不意打ち男子のずるいとこ
彼が話し出した最初は、衝撃でしかなかった。
だって、いきなり
「俺、実はそこら辺じゃ有名な不良で」
何の前触れもなくそんなことを言い出すのだから。
でも確かに今までの守谷を見る限りでは、あの表情の切り替えとか、鋭い瞳とか、思い当たることがたくさんあった。
「顔とかもいろんな奴に知られてんの」
自分の顔を指しながら話す守谷を見て、メガネ姿じゃない、今の守谷のことを言ってるんだと分かった。
守谷曰く、不良やらヤンキーやらはこの学校にもたくさんいるようで、
もちろん、後輩や先輩だけじゃなく、同じ学年にも。
移動教室とかでも知ってる顔を何回も見かけたって言ってた。
だから何だって言いたいところだけど、重要なのはその後だった。