不意打ち男子のずるいとこ
自分の部屋に入って、ベッドにダイブする。
帰ったらいつもすることなのに、
その行動さえも虚しく感じてしまう。
あれから、私の家まで送ってくれた守谷。
「じゃあ」
後ろを向いて歩き出した守谷を見て今さら気づいた。
守谷の家、逆方向じゃん
って。
今さら、また、守谷の優しさに気づいてしまった。
何でこんなに優しいんだろう、守谷は。
「ありがとう!また明日ね!!」
さっきの守谷の言葉が嘘でありますように・・・って願いながら、“ また明日 ” って言葉を守谷に投げかける。
「また明日な」って、言ってくれるよね?
けれど、
そんな私の願いは守谷の大きな背中と一緒に、消えていった。
結局、右手を軽くあげただけだった。
・・・こっちさえも見てくれなかった。