不意打ち男子のずるいとこ
「あっ!
今日英語の小テストあるじゃん!!
だから寧位学校早いんでしょ?」
えっ?
あ、英語の小テストあるんだっけ今日・・・。
「う、うん。
そうそう!勉強しないとヤバイんだ〜」
とっさに嘘をついたけど、
本当は英語の小テストなんか興味ない。
勉強なんてはかどらないのは目に見えてる。
だってーーー...
「ん?
あの前にいるのって守谷じゃない?」
莉莎子から出てきた “ 守谷 ” という単語にピクッと私の肩が揺れる。
えーーー...?
莉莎子が見つめる先をたどると、黒髪の男子が前の方から歩いて来ている。
「ーー...うん、守谷だね」
間違うはずがない、
あの背が高くて、黒髪で、メガネの男子。
今日の朝から会いたくて、
でも、会いたくなかった人。
会いたくないのは、きっと怖いから。
昨日言われたことが、現実になるのが、怖いからなんだ。