不意打ち男子のずるいとこ
そういえば私、まだ誰ともまわる約束してなかったな・・・。
莉莎子は充くんとまわるって嬉しそうに言ってたし・・・。
「うん、まわろう!」
隣で緊張しているっぽい金田くんを見て笑った。
ホッとしたように少しだけ笑みを浮かべた金田くんはググッと背伸びをした。
「あ〜〜〜
良かった!
早く予約しとかないと先輩とられちゃうから」
少しだけ前を歩いていく金田くんは安心しきったようにふ〜とため息をつくと、突然振り返った。
「俺、文化祭で絶対先輩を楽しませるように頑張ります!
いや、楽しませます!!」
ピースサインを出しながら笑う金田くんはフッと表情を変えた。
「それで、
先輩が楽しいって思える文化祭にできたら・・・
1つだけ俺の話聞いて欲しいんです」
そう言って真剣な顔になった金田くんはまっすぐに私を見つめた。