不意打ち男子のずるいとこ
「寧位まだ好きな人もいないの〜?
とっとと彼氏つくって高校生活楽しまなきゃ、あっという間よ?」
台所から聞こえてくるお姉ちゃんの声。
よ、余計なお世話だ!!
なんてお姉ちゃんに言っちゃったけど
好きな人っていう言葉に、守谷を思い出した。
今日自覚した、はじめての好きって気持ち。
今思い出しただけで苦しくなる私の胸。
全部全部、はじめてすぎて戸惑う自分。
こんな経験、お姉ちゃんもしたのかな?
なんて思って準備をしだしたお姉ちゃんを見てみる。
これからハヤトさんに会えるのが嬉しいのか、お泊りできて嬉しいのか、一緒にいられる時間が嬉しいのか。
私には分からないけれど、
すっごく楽しそうに準備してる。
恋って苦しいときもあるけれど
きっと楽しい時も、嬉しい時も、ドキドキする時もあるんじゃないかって、
お姉ちゃんを見て思う。