不意打ち男子のずるいとこ
私には未知の世界。
いつか守谷と、そんな恋したいなーー...
なんて、ダメだ。
守谷からしたら私なんてどうでもいい存在なんだから。
叶うはずもない恋に何を夢みてるんだろう。
そうため息をついた時、家のチャイムが鳴った。
「あ、ハヤトかな?」
少し大きめのバッグをもって玄関に向かうお姉ちゃん。
玄関先からハヤトさんの声が聞こえてくるから、やっぱりハヤトさんだ。
「じゃあ行ってくるね!
お母さんそろそろ帰ってくると思うよ〜」
そんなお姉ちゃんの声も聞こえてきた。
「わかった!
いってらっしゃい」
そう声をかけると、しばらくして静かになるリビング。
そういえばテレビつけてなかったな、なんて思ってテレビをつける。
テレビの音で少しだけ賑やかになるけど、私の心だけはそうもいかない。
いつか私にも、お姉ちゃんみたいに
大切に想い合える相手ができるのかな。
そんなことを考えてしまう。
今日守谷への好きって気持ちを自覚したばかりなのに、どんどん好きになっていく自分に、
私って守谷のことを諦められる日が来るのかな?
なんて不安になった。