不意打ち男子のずるいとこ
たくさんすることがあるから、
1ヶ月前に計画を立てていたにもかかわらず、準備がこのままじゃ間に合わない!
というところまできてしまっている。
それで、今までに経験したことのない疲労感がこのクラスを、おそっています。
教室の中は疲労とため息とで皆気分は沈み気味。
「おーい!!
差し入れなー」
そんな声が教室の扉の方から聞こえてきて、
皆がいっせいにその方を見る。
「ここまで頑張ってんだから
ぜってー成功するって!
ほら!準備も楽しもーぜ??」
久留米くんが皆に、箱のアイスを1本ずつ渡していく。
「ありがと久留米〜」
「ちょうど冷たいもの食べたかったの」
「サンキュー」
「そうだよ!頑張ろ〜〜〜!!」
みんなが口々に久留米くんにありがとうと言っている。
久留米くんはすごいと思う。
あんなに沈んでた空気が、こうやって彼のひとことで雰囲気がガラリと変わった。
「はい、新沢さん!!
頑張ってんな!2本食べる?」
そう笑いながらアイスをひらひらとさせる久留米くん。
「あ、ありがとう
2本だなんて...1本で十分だよ!!」
つられて私も笑顔になる。