不意打ち男子のずるいとこ
「え?...うん」
実はどんな味でも好きなんだけど、
フルーツ系だったらオレンジ味が好き。
小さい頃からよくオレンジばっかり食べてたから、なんで好きなのかは分からないんだけど。
でもそれがどうかしたのかな?
「そっか」
そう言った久留米くんは箱のアイスをゴソゴソし出した。
ますます彼の行動が分からないな・・・
なんて思ってると、
「お!オレンジラスト1本!
俺もオレンジ味食べよー」
とオレンジ味のアイスを箱から出した。
なるほど、オレンジ味食べたいんだ。
と私も納得。
でも久留米くんがオレンジ味のアイスを袋から出そうとした瞬間、
「久留米、俺まだもらってねー」
と頭上から声が。
その人が前に立ったおかげで、少し前が暗くなった。
身長が高くて見上げることさえままならないんだけど、
この声って・・・。
「守谷!!
ごめん!新沢さんと話てて・・・
みんな渡したと思ってた」
何味がいい?と久留米くんが慌てた口調で守谷に聞く。