不意打ち男子のずるいとこ
拒まれたら自分がどうなるのか、すっごく怖かったんだ。
自分がこんなにも臆病だったなんて、恋をして、はじめて気づかされた。
「ピーチとかグレープとかもあるけど」
いつの間にかたち上がって、箱の中身を守谷に見せる久留米くん。
「んー...」
と悩む守谷。
守谷って迷うタイプなんだ・・・。
なんか適当に取っていくイメージがあるんだけどな。
なんて見上げて眺めることしかできない私。
やっぱり臆病だな、私。
せめて見てようって思って、見上げたまま守谷を見る。
・・・でも次の瞬間、
これまでにないくらい心臓が跳ねた気がする。
だって・・・。
目が、合った・・・?
ううん、絶対に目が合った。
守谷を見つめていた私の方を、守谷がフッと見たんだ。
少しだけだけど、私と守谷の視線が交わった。