不意打ち男子のずるいとこ
すると守谷は私の手元を見て、また久留米くんの方を見た。
何週間も目を合わせていなかったからなのか、
ただ守谷の行動にドキドキしたのか、
わからない。
わからないけど、今、すっごく嬉しい。
「俺、オレンジ」
そう言うと守谷は、久留米くんの手の中にあるオレンジ味のアイスを取って、行ってしまった。
「・・・!
最後だったのに、オレンジ・・・」
名残惜しそうに、守谷の背中を見つめる久留米くん。
でも、ごめんなさい久留米くん。
私、今、ものすごく気分が良いです。
だって、守谷と目が合っただけじゃない。
同じ、オレンジ味を選んでくれた。
気まぐれかもしれないけれど、
好きな人と同じ味を食べれるなんて。
やばい・・・、
嬉しすぎるよ。
沈んでた気持ちだったのに、そんなのどこかに吹き飛んでた。
もう、どうでもいいやってなってる。
やっぱり、恋の力ってすごいのかも。