不意打ち男子のずるいとこ





すると守谷は私の手元を見て、また久留米くんの方を見た。





何週間も目を合わせていなかったからなのか、


ただ守谷の行動にドキドキしたのか、




わからない。





わからないけど、今、すっごく嬉しい。







「俺、オレンジ」




そう言うと守谷は、久留米くんの手の中にあるオレンジ味のアイスを取って、行ってしまった。





「・・・!


最後だったのに、オレンジ・・・」





名残惜しそうに、守谷の背中を見つめる久留米くん。





でも、ごめんなさい久留米くん。





私、今、ものすごく気分が良いです。






だって、守谷と目が合っただけじゃない。



同じ、オレンジ味を選んでくれた。





気まぐれかもしれないけれど、






好きな人と同じ味を食べれるなんて。





やばい・・・、



嬉しすぎるよ。






沈んでた気持ちだったのに、そんなのどこかに吹き飛んでた。



もう、どうでもいいやってなってる。





やっぱり、恋の力ってすごいのかも。









< 92 / 208 >

この作品をシェア

pagetop