先生、甘い診察してください


無事にテストの3日間を終えて、後は結果を待つのみ。



「おーい、あや!テストどうだったー?」


テストが終わった次の日、朝から日向くんが私の教室に来た。




「今回は、結構いい感じかな」

「じゃあさ、全教科平均点以上だったら、何かご褒美やるよ」

「へ?ご褒美?」


いやいや、それはもう十分間に合ってますから!


別に何もいらないって言おうとしたけど、



「何がいいか考えとけよ!」


私の話を最後まで聞かず、日向くんは颯爽と教室を出て行った。


別にいらないんだけどなぁ。











そんなこんなで、あっという間にやってきた、テスト返却日。



「う、嘘……」


返ってきたテスト用紙を見て、驚いた。



ほとんどが80点台。


そして英語は、




「65点……。やったぁ」



60点数以上取れたぁ。これはもう、奇跡としか言いようがないね。




「あやちゃんすごいじゃん!国語なんて、97点だよ!マジすごい」

「ありがとう」



あ、そういえば、光平くんはどうなんだろう?




「おーい、琉璃!」



興奮した様子で、光平くんが駆け寄ってきた。



「ほら見ろよ!どれも60点台。一応、平均点だよな?」

「あー、本当だ」


光平くんのテスト用紙を見る琉璃ちゃんはあくまで冷静。



「俺ら、恋人のままって事で……いいんだよな?」

「まぁ、いいんじゃない?」

「よっしゃ!」



光平くんは嬉しそうにガッツポーズ。


一方の琉璃ちゃんは冷静沈着。



でも、羨ましいけどな。恋人関係って……。



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