先生、甘い診察してください


先生からのご褒美に、大満足してた私。



だから、すっかり忘れてた……。



―ピンポーン



「誰だろう……」



お兄ちゃんは仕事に行って、少し遅めに起きた私は、遅めの朝食を食べていた。



宅配便かな?



「はい」


玄関のドアを開けて、そこに立っていた人物を見て、



「え……」


文字通り、固まった。





「日向くん、どうしたの……?」



何故か我が家に訪問してきた日向くん。


夏休みも部活あるんじゃないの?




「今日は部活ないから、久々に遊びに来た」









私の部屋に通して、冷たい麦茶を出した。


ベットに座ってる日向くんは「サンキュ」と言って、お茶を飲み干した。




「そんで、もう決めたよな?」



コップをテーブルに置きながら、日向くんは意味不明な質問を投げかけてきた。



「何が?」

「だーかーら!ご褒美だよ!テストの結果、すっごい良かったんだろ?」



そういえば、日向くんからもご褒美もらうって約束してたなぁ。


まぁ、無理矢理したようなもんだけど。




「で、何にするの?俺、あやのためなら何でもするよ?」


少女漫画に出てきそうなセリフを、日向くんはわざわざ私の耳元で呟いた。


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