先生、甘い診察してください
ましてや、日向くんは私の我儘に付き合って、勉強を丁寧に教えてくれてる。
断るのは気が引けるから……、
「うん、いいよ。一緒に行こう」
誰とも約束してないから、OKする事にした。
「よっしゃ!」
日向くんは、露骨に嬉しそうに、ガッツポーズをした。
「じゃあ、7時に迎えに行くから!」
「うん」
そういや日向くんと一緒にお祭りに行くのって、小学校以来かも。
「あやは贅沢だな~。俺に勉強を教えてもらうのと、一緒に夏祭りに行くという、2つのご褒美をもらえるんだから」
うんうん、と1人で納得してる……。
一緒に夏祭りに行くってのも、テストがんばったご褒美なの?
これって、素直に喜んでいいのかな?
複雑、微妙。
日向くんのご褒美は、甘いんだか、そうじゃないんだか、ちょっぴり複雑な感じがした。