先生、甘い診察してください
夏祭り
日向くんと2人で夏祭りに行く事を、お兄ちゃんは意外とあっさりOKしてくれた。
それだけ、日向くんを信頼してるって事かな?
「暑い。夏だなぁ」
次の日。
通院の日だったから、医院へと向かった。
太陽の強い日差しがジリジリと肌を容赦なく射す。
医院に着いて、中に入ると、
「今日もがんばったね」
「うん。だって先生の治療、痛くないし、怖くないもん」
診察室のドアの前で、先生と……陽菜ちゃんが立ち話をしてた。
陽菜ちゃん、タメ口使ってる。
それくらい仲が良いって事?
2人が楽しそうに話してるのを、ボーっと入り口の前に立って見てた。
視線に気づいたのか、
「あ、あやちゃん。いらっしゃい」
ようやく大橋先生が、私の方を見てくれた。
「あ、じゃあ、帰るね。今日もありがとうございました」
「いえいえ。次回の治療は一週間後だから、サボらないでね」
「はーい。バイバイ。智也先生」
下の名前で呼んでる……。
やっぱ2人って、仲良いって事?