先生、甘い診察してください
「初めまして!櫻田純ですっ!」
「…村上、日向です」
一応、自己紹介してるけど、日向くん…なんか不機嫌そう。
「なかなかカッコイイ子じゃーん。彼氏、とかじゃないよね?」
「違いますっ!」
櫻田先生ったら……余計な事言って。
大橋先生はさっきから黙ったまま何も言わないし。
「ねぇ、よかったら4人で行動しない?せっかくバッタリ会ったんだし」
その提案は、とってもありがたかった。
櫻田先生、ナイス!
「せっかくですけど、2人きりがいいんで、失礼します」
日向くんはあっさり断って、私の手を引いて歩き出した。
「ちょっ…ちょっと……」
無言で手を引かれ、お祭りの会場を離れ、人気のない公園へと連れ込まれた。
日向くんは振り向いて、私と向かい合う形になった。
「お前…あいつの事が、好きなのか?さっきの……」
バレてる……?
私が大橋先生の事が好きだって、バレちゃった?
「本当にわかりやすいよな。明らかに頬、赤らめてたぞ」
あぁ、バレた。
とうとう、日向くんにバレちゃった……。