先生、甘い診察してください
「そんなに、好きかい?智也チャンが」
「はい……え?」
えっと、何?
今のやり取りは、何??
「あー、やっぱ好きなのか。思った通りだね。あやちゃんは、わかりやすいもん」
腕を組んで、1人でうんうんと納得してる。
「どうして、わかったんですか?」
鈍そうなのに。
「あやちゃんが智也を見る目は、恋する乙女チャンだった。気づかない方がおかしい」
わかりやすい自分に、嫌気がした。
気づかれてたなんて。
「てゆーか、いつから好きなの?一目惚れ……ではないよね?」
いつの間にか、恋バナに発展してた。
「気がついたら、好きになってました。なんか…意識するようになってて、笑顔とかにドキッとしたりするようになって」
何で好きになったのか、そのキッカケは鮮明には思い出せない。
気づいたら好きになってた。
「何で、智也なの?正直、智也って…そんなイケメンじゃないでしょ?普通じゃね?」
普通、なの?
「ボケーっとしてて、頼りなさそうだし。俺的には、日向くんって子の方がおススメかな」
その言葉は、心に深く突き刺さった気がした。