先生、甘い診察してください



「あっ、ごめんね!!俺、さっきから言いたい放題言っちゃって」


シュンッとなった私に、櫻田先生がオロオロと困った表情を見せた。



「好みは、人それぞれだもんね」


と、単純なフォローをされた。



「……櫻田先生」

「んー?」

「大橋先生って……」


気になった事を質問しようとした時、診察室のドアが開いた。



出てきたのは、大橋先生。




「いらっしゃい。待たせてごめんね~」

「い、いえ!こ、こんにちは……」


さっきの会話、ギリギリ聞かれてないよね?





「さーて、楽しい楽しいお仕事に戻るかな~」


わざとらしい言葉を残して、櫻田先生はさっさと診察室へと入って行った。



「純と、何話してたの?楽しそうな声が聞こえてきたけど」

「内緒です」


内容が内容だけに、言えない。




「そっか…。中に入ろうか」

「はーい」



そうだ、今日、私…告白するんだ。



つまり今日は運命の日って事。


うぅ、ドキドキし過ぎて身が持ちそうにないよ~。


< 134 / 497 >

この作品をシェア

pagetop