先生、甘い診察してください
「あっ、ごめんね!!俺、さっきから言いたい放題言っちゃって」
シュンッとなった私に、櫻田先生がオロオロと困った表情を見せた。
「好みは、人それぞれだもんね」
と、単純なフォローをされた。
「……櫻田先生」
「んー?」
「大橋先生って……」
気になった事を質問しようとした時、診察室のドアが開いた。
出てきたのは、大橋先生。
「いらっしゃい。待たせてごめんね~」
「い、いえ!こ、こんにちは……」
さっきの会話、ギリギリ聞かれてないよね?
「さーて、楽しい楽しいお仕事に戻るかな~」
わざとらしい言葉を残して、櫻田先生はさっさと診察室へと入って行った。
「純と、何話してたの?楽しそうな声が聞こえてきたけど」
「内緒です」
内容が内容だけに、言えない。
「そっか…。中に入ろうか」
「はーい」
そうだ、今日、私…告白するんだ。
つまり今日は運命の日って事。
うぅ、ドキドキし過ぎて身が持ちそうにないよ~。