先生、甘い診察してください


好きだからこそ、伝えたい。


自分の思いを真っ直ぐに、ストレートに。




「…あやちゃん?どうした?」



治療の準備をしてる先生の白衣の裾を、ギュッと掴んだ。



「どうしちゃったの?なんか今日は変だよ~?」



ねぇ、先生…私は……。




「……好きです」



告白は、治療の後でしようと思ってたのに、いきなり予定が狂った。


イメージトレーニングしてたのに。



でも今は、そんな事はどうでもよかった。


ただ伝えたくて、必死だった。




心からポロポロ零れていく気持ちを、真っ直ぐ伝えたかった。





「私……先生の事が、好きなんですっ……」



俯いたまま、ほぼ叫んでた。



言う前も、言った後も、心臓はドキドキしたまま。


ただ頬の熱は言う前よりも、上がってるように感じた。




体中の体温が急上昇してる。


私にとって、生まれて初めての告白。




「……」


ただ、肝心の大橋先生はノーリアクションで、何も言わない。




ねぇ、何か言ってよ。


無言のままなんて、心臓に悪いよ。


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