先生、甘い診察してください
じれったい2人
【純side】
世間では、夏休みが終わり、新学期の季節になった。
「はぁ~。疲れたぁ……」
診療時間が終るまで、残り約15分。
今日のお仕事も疲れた~。早く帰りてぇ……。
翔太はまだ患者さんを診察中。
俺は受付のカウンターでグダグダ。
一方の智也は……、
「……」
無言のまま、さっきからずーっとカルテを見つめたり、その場を行ったり来たりしてる。
「あのさ、ウロウロされると落ち着かないんだけど?」
「…ごめん」
あ、また時計みた。
妙に時間気にしてるなぁ~。
「今日はもう来ないと思うけど?」
「……あやちゃん、大丈夫、なのかな?痛み出したりしてないといいけど」
「あっれ~。俺、“あやちゃん”とは言ってないけど~?」
「仮封取れてないといいけど……」
って、俺の事は無視かい!!
あんだけサボらず、マメに通院してたあやちゃんは急に来なくなった。
原因は多分…智也だろうけど…。